「精神の病気」「こころの病気」「脳の病気」だとかいろいろと言われますね。
でもどれも、もうひとつ何を意味するのか曖昧ではありませんか？
私には言葉の遊びのように思えるのです。

新しい学説も出てきます。
最新の診断治療の機械とか薬とかも出てきます。
でもそれらも本当に意味があり、有効なのでしょうか？
私はとても懐疑的です。
はっきり言って信じていません。

なぜか？
理由は簡単です。
結局患者さんは減らないし、逆に増える一方だからです。
医療は結果がすべてです。
治るか？治らないか？
もし治らない人が多ければ、それどころか増える一方であれば、何かがおかしい、決定的に根本的なところで間違っているのです。
では一体それはなんでしょう？

それは、うつ病という現象を限られた角度からしか見ていない。
ひとりひとり様々な病状について、単純なマニュアル診療しかしていない。
先入観で判断したり、ポッと出てきた学説や真新しい診断名を鵜呑みにしている。
十分な検証をせずに信じている。
こういう点から来ている間違いです。

転院してくる方からお話を聞くと、多くの方が症状を聞かれて①「うつの症状です」と言われている。
②「原因はストレスです」と言われ、そして③「SSRIをのみなさい」と言われている。
症状の程度によっては④「休職しなさい」と言われている。

それ以外についての説明がほとんどない、１０年通っていても聞いていない、そうおっしゃるのです。

私が限られた時間の中で心がけているのが、あなたの病気のことをもっと知っていただく、様々な角度から考えていただく事。
ですから、宿題も出します。
そして、それだけではとうてい無理なので、講座などでお話して、ご一緒に考えるようにしているわけなのです。

大切なのは、『医療関係者だけに頼らないうつ病治療』なんです。
もちろんそれは、他のすべての病気についても言える事です。
これからの時代、医療はますますマニュアル化していきます。
いい医療を受けるには、当事者であるあなたが主体的に取り組まねばなりません。